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追憶のharunomaのレビュー・感想・評価

追憶(2017年製作の映画)
1.9
ミスティック・リバーかスリーパーズか知らんが、まずトラウマ的出来事を共有した少年たちがいるなら、映画としては、その少年たちが魅力的でなければ、話の根本が成り立たない。なんというやる気のないキャスティングだろうか。事件時のリアクションも薄く、逆に安藤サクラの台詞は不自然に覚悟がありすぎる。

安田顕と小栗旬は自然に振る舞えば振る舞うほどギャグにしか見えない。「薬を飲んだってどういうことだ!」と東京のホテルで電話で叫ぶ岡田准一の後ろ姿はなんなんだろう。この台詞、何の脚本なのか。
82歳の大御所監督の遺作というのは、オリヴェイラに比べれば何の言い訳にもならない、木村大作も同様。
こんな企画に中堅若手がこぞって出るのは資本主義のまやかしでしかない、駄作。

日本映画はいつまで日本海のサスペンスを作るのだろう、定石だけのクリシェの造形が、俳優たちを猿のように安定した演技に落ち着かせ、演出不在の2時間以下ドラマが浮上する。富山が舞台でよかった映画の記憶がない。
今後は、祈りの幕が下りる時と比べて作るしかない。
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