いぬ

オールド・ジョイのいぬのレビュー・感想・評価

オールド・ジョイ(2006年製作の映画)
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犬のルーシーが棒をくわえてるんるんで歩き回るのがかわいい。

旅の目的は旧友と温泉のある山をハイキングすること。
道中に何か心あたたまる出来事や素敵な出会いはなく、離れていた時間を埋め合わせる思い出話は時間の移ろいを感じさせるばかりで隔たりの間に虚しく落ちていってしまう。
かつて間違いなくそこに友情があったとしても、もう打ち解けられない相手というのはきっといるし、どうしようもないのに取り返しがつくのではないかと会話してそれが空転するばかりという空気の生々しさが映像から伝わってきてくるしかった。
このロードムービーにおいて目的地に辿り着くということは一つの関係の終焉を意味して、それがたまらなく寂しい。終わりに向かってだらだらと遠回りするような旅路も、続けても気詰まりな仲も、全部が。

エンドロールの
Lucy herself
と、温泉でカートが話していた夢の女性の言葉「あなたは大丈夫よ」「悲しみは使い古した喜びなのよ」
がよかった
いぬ

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