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彼らが本気で編むときは、のbluetokyoのレビュー・感想・評価

彼らが本気で編むときは、(2017年製作の映画)
3.0
2024年3月17日 21:00~ J:COM 
ソーイングコンテストものかと思った。いつ編み物の特訓が始まるのかと待っていたら、結局、そんなことはなかった。トランスジェンダーものなのね。それにしても、トランスジェンダーのひと(こころは女性だが体は男性の場合)を、なぜ、男性が演じるのだろう。こころが女性なのだから、主観は女性なはずである。だとすると、女性が演じるべきだと思うのだけど(オール・アバウト・マイ・マザーは女性が演じている)。これだと、あからさまに、トランスジェンダーはそういうものだという視点なのである。とはいえ、通り一遍ではない難しい問題なわけで、そういうことはそれなりにうまく表現してあると思える。

簡単にあらすじ。
小五のトモが、叔父、マキオの家に転がり込んできた。トモのネグレクト母、ヒロミが、男を追っかけてどっかへ行ってしまったからだ。マキオの家には、同居しているトランスジェンダー、リンコがいた。
はじめは、トモは、リンコに馴染めなかったが、徐々に、母親として馴染むようになった。
マキオ、リンコ、トモは、まるで、親子のように暮らすのであった。ということで、マキオ、リンコは、トモを養子にできないかと考えるようになった。

そこへ、突然、ヒロミが、戻ってきて、トモを引き取ると言い出した。トモは、ヒロミのもとへ戻るのだった。

で、編み物というのはどこに出て来るのかというよ、たとえば、世間のトランスジェンダーに対する理不尽な扱いにぶち当たったとき、それを忘れるために、編み物に没頭するわけである。

マキオが求めているのは、家事全般をやってくれる人なのである。それがたまたま、トランスジェンダーのリンコだったわけである。でも、これって、ジェンダーの役割を決めつけているように思えるのだけど。もっとも、優しそうなマキオのことだから、リンコの方から、家事を分担してくれと申し出があれば、受け入れてくれそうだけど。

こうなると、むしろ際立つのが、ネウレクト母のヒロミである。家事全般ということに関しては、完全に、リンコに劣るわけで、というよりできないのである。弟が、マキオだから、困ったら、マキオを頼るということになっているのかな。
トランスジェンダーの問題が、ネグレクトの問題をあぶりだしてしまったわけだ。
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