みんなそれぞれ完璧ではないが相手に誠実である事は、恋愛や性のステータスには関係なく、それこそ1番大事だよねというシンプルなメッセージが心地よかった。
家族がいびつなのも距離をとって俯瞰すると愛がないわけでもないのがよくわかる。
主人公は叔父夫婦と生活した事で家族の温かさや誠実さを胸に自分自身が成長し家族になっていく決意をしたのではなかろうか。
それにしても小学生が背負うには酷だとは思うが、それを重くさせすぎないストーリー展開と主張しない演出の数々がすごい。
生田斗真の指はごつい男のまま、というものの指先の所作まで女の私より美しく、女として大変申し訳なくなった…
余談だが、お店でこどもの教育に悪いと当たり前のように差別発言を言ってくる毒親がいるのを過去のバイト経験上よく知っている。(割といた)
あの発言をしているときの、妄信的でいびつな表情がとてもうまかった。
いびつなのは自分は普通と思っている大人だと、あれこそ病気だよなと思う。
劇中では何も解決しないけど、人生の立ち向かい方に背中を押された気持ちで映画館を去る事ができる良作。
