ぶみ

ドラゴン・タトゥーの女のぶみのレビュー・感想・評価

ドラゴン・タトゥーの女(2011年製作の映画)
3.5
身も凍る真実が、そこにはある。

スティーグ・ラーソンが上梓した『ミレニアム1 ドラゴン・タトゥーの女』を原作とし、デヴィッド・フィンチャー監督、ダニエル・クレイグ、ルーニー・マーラ主演により映像化したサスペンス。
スウェーデン有数の財閥から、40年前に起きた親族の娘失踪事件を依頼された記者と、彼とともに調査することとなる女性の姿を描く。
クレイグ主演であることと、そのイメージビジュアルから、勝手に007シリーズの一つかと思っていたら、全く関係なかったことを、つい最近知った本作品。
主人公となる記者ミカエルをクレイグ、ドラゴンの刺青が入った天才ハッカー、リスベットをマーラが演じているほか、クリストファー・プラマー、ステラン・スカルスガルド等が登場。
物語は、序盤ミカエルが40年前の失踪事件を調査するパートと、リスベットの人となりが描かれるパートが同時進行し、中盤からようやく二人の動きが重なることとなるが、そこまでが少々長い印象。
ただ、フィンチャー監督の拘りが詰まったオープニングに始まり、スウェーデンを舞台としていることから寒々とした光景が北欧ミステリかのような空気感を醸し出しており、そのトーンは悪くない。
また、時折目を背けたくなるようなシーンをシレッと盛り込んでくるのもフィンチャー監督ならではで、それを、まさに体を張った演技で体現したマーラも見どころの一つ。
ただ、やはりテンポの悪さと、登場人物が多いことに加え、ミステリ色がそこまで強くないため、若干冗長な印象は否めないものの、完成度は高く、リスベットの心情の変化に持っていかれる一作。

君は、誰よりも僕を知っている。
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