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エル ELLEのindieのレビュー・感想・評価

エル ELLE(2016年製作の映画)
3.5
寛容すぎるにも程がある

性衝動過多な主人公を通し人間はどこまで寛容になれるかを問う作品である。
心の揺らぎ的な描写と全てのコミュニケーションの結末がセクシャルな関係に至る風景は異常に感じるが多様性を認めるという事はモラルというものを再構築する必要があるのではないかという不安感を伴ってしまったりもするのだ。
明らかに他人の子供が生まれたとしても養子と同じ様に考えれば良いしレイプされたとしてもそういうプレイであると寛容になれば日常生活においては支障が無いという考え方は思考の多様性の行く末を暗示し何とも言えない心の不穏とざわめきを残すものの近い未来の完成形となるのであろうかと寂寥感だけを持ち帰ってしまうのだ。
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