まー

エル ELLEのまーのレビュー・感想・評価

エル ELLE(2016年製作の映画)
4.5
これはすごい。さすがバーホーベン。

気になってはいたものの、東京での公開から3ヶ月遅れ、しかも家から結構遠い映画館だったもので劇場鑑賞はスルーした本作。

イザベル・ユペール。40代の役は見た目的には正直厳しいですが、この作品はイザベルじゃないと成り立たなかったです。この役、ハリウッドで女優さんから断られまくったらしいですが、結果的にフランスで作ったのは大正解だったと思います。原作もフランスらしいですし。というか、ハリウッドで作ったらただ痛いだけの映画になりそう。笑

この映画、何がすごいかって人間の多面性を押し付けがましくなく、ごく自然に、かつ繊細に描いてるとこだと思います。レイプ犯探しがメインかと思いきや、そっちはサブクエスト。
私だって優しいから怖いか、いい人間か悪い人間かと聞かれたら、そりゃ時と場合と相手による、と答えるわけで。笑
国によって文化や倫理観、その線引きは違うとは思いますが、この人はこういう人だ!とビシッと決めつけられる人って本当はいないですよね。

みんなダメなんだけど(特に男がダメすぎる)みんな愛おしい。薫堂さんも言ってましたが、人生一度きり、楽しんだもん勝ちです。(もちろんその国の倫理、道徳の範囲内で…)

ただ、レイプ犯とその周りの変態性は完全アウト。特にラストのあいつのセリフにはゾワっとしました。敬虔なクリスチャンが…というのはバーホーベンらしいなとも思いましたが、原作はどうなんでしょ。

常に自分らしく生きたいなぁと思える映画でした。

強い女性を描いているというのは違うと思うなぁ…

彼女(エル)は彼女(エル)らしく。

追記
どこが変態なの?いたって健全。これがリアルでしょ。
まー

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