サウナー

エル ELLEのサウナーのレビュー・感想・評価

エル ELLE(2016年製作の映画)
4.3
オープニングから凄かった
真っ暗画面でガラスの割れる音、女性が強姦される音。
画面が明るくなり、飼い主ががレイプされているのを興味なく眺める飼い猫の顔がぼんやりと映される
久しぶりのバーホーベン監督でオープニングから「こりゃただ事じゃないぞ」感

淡々と部屋を片付けるミシェル
泡風呂に入って気持ちを落ち着けるミシェル
電話をするミシェル
電話先は警察では無くデリバリー寿司屋さんで2人前を注文する
「ホリデー巻きを頂戴」みたいな笑笑

もうこの時点で、え?え?え?って感じである
普通の感覚では彼女に共感する事はできない
なぜミシェルがこのような人物になったんだろう?と興味はそちらに向く

彼女は
エロゲー会社のCEOでお金持ち、結構苦労して手に入れた地位みたい。
息子はファーストフード店で働いて、子供が出来て結婚するらしい。
共同経営者の旦那さんとは不倫仲。
80過ぎぐらいの母親はミシェルのお金で若い男と遊んでる。
父親はミシェルが10歳の頃、近所の人を大量虐殺して刑務所に入ってる。
向かいの夫婦とは仲の良い近所付き合いを。。

などなど
徐々に見えてくる彼女の性(さが)

彼女がなぜレイプされても毅然で警察を頼らないかが見えてくる。
彼女は自分が被害者になる事を許さない!そんな感じである。
なぜレイプされたからって泣き叫ばなきゃならないの?
破れた服で、放心状態にならなきゃいけないの?
私は被害者にはならない!そんな態度である。
そして過去の事から警察は信用しない。世話になりたくない。

バーホーベン特有の女尊男卑で出てくる男たちはクソ野郎ばかりである。
たえず色んな意味で緊張感(笑)もあり
背中にひんやりとした汗をかきながら観た

これは主演女優賞納得です。
原作も読んでみたい。
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