つるばみ色の秋津凡夫

しゃぼん玉のつるばみ色の秋津凡夫のレビュー・感想・評価

しゃぼん玉(2016年製作の映画)
2.0
ふるさと

壮大な自然の美しさが画面に彩る。
また、慎ましながらに美しい生活も丁寧に描かれている。
浴槽から磨りガラス越しに映る人影のカットは、幼い子供が親を見る視点であり、ノスタルジーを感じた。

しかし、脚本では美知の心の変化に説得力ある描写が無いのが気になった。
祭りの準備という共同作業を経て、幾らか心が安らぐのは分かるが、トラウマに対する特効薬としては不十分に感じた。
また、肝心の伊豆見の台詞回しに違和感が多々あり、舞台装置感が強かった。

とは言え、壊れて消えない暖かさは最後まで貫き通した作品だ。