最初の方が少し退屈だったけど中盤以降はストーリーにのめり込んでいった。
"Manchester by the Sea"
素敵なタイトルだと思います。
冬のマンチェスターの突き刺さるような寒さと声のトーンが暗く全くといっていいほど笑わないリーが終始何か重い雰囲気を作り出していたと思う。それほどまでに彼が背負っていたものは重かった。
彼が背負っていた壮絶な過去に対して、甥のパトリックは父を亡くし、未来に不安しかない。でも生まれ育ったマンチェスターを離れたくはない。
リーは過去、パトリックは未来にそれぞれ大切なものを抱えている。過去と未来、相反するその2つは決して調和しない。その調和しない中で足掻いてもがく2人の静かな想いの交錯を感じた。
綺麗事で全部片付けようと思えば簡単だけどそうさせないのがこの映画の良さ。
それでも最後、過去と未来が一瞬だけ交わった気がして救われた気がした。
この映画みたいにどうしようもないことって世界に溢れてると思う。