泣いた。オススメ!以上!終わり!
くらいしか書けないんだけど、ない頭をフル回転して、なるべくネタバレなしの感想を書きます。
リアリティ、リアル、現実感…言
葉にすると陳腐だが凄く現実感があった。
山本直樹の漫画『ありがとう』最終巻のタイトルではないが「人は死ぬ」のだ。
普通の映画、物語で死はゴールである。
経験ある方は知っているだろうが近しい方が亡くなると悲しんでばかりはいられない。
いろんな方に連絡をしないといけないし、葬儀の手配だってある。
生きるってめんどくさい。
死ぬほど辛くても死ねなくて、心が壊れたまま罪を背負い生きる事を選択したリー。
父を亡くし色々と本当は辛いはずだが、うまく表現出来ない16歳の少年ジョー。
そんな2人を軸に物語は展開していく。
詳しくは書かないけど、戦慄する山でのシーン。
ジョーが冷蔵庫を開けるシーンに胸を抉られる。
演出も素晴らしい。
リーが最初にピストルを握るシーンはある行為するためだった。
中盤くらいにピストルではないが猟銃が登場する。
猟銃の使い道が最初に登場したピストルと全然違う使い道になっている。あそこから多分リーは少し変わったのではないか。
あぁ、生きるってめんどくさい、でも生きていれば、いつか…
そんなシーンに涙。
ここで映画は終わっていいはずだった。
しかし、自分はそんな人間じゃないんだと逃げてバーで乱闘騒ぎを起こすリーにまた涙。
あぁ、生きるってめんどくさい。
この映画の他の映画、物語と決定的に違う素晴らしいシーンは最後に訪れる。リーの決断に心を打たれた。
安易に観客に安心、納得の行く答えを出してくれないのだ。
でも本当の人生、そんな事はざらにある。
リーの決断によって、失ったものの大きさ、そして失ったものが2度とは戻らない事を知るだろう。
だけど、そんな人間だからこそ、救われる人がいるのだ。
あぁ、生きるってめんどくさい…そんな愚痴をこぼしながら、彼らもボク達も生きて行くのだろう。
リーもマンチェスター・バイ・ザ・シーのように、解決はしなくても、悩み事を聞いてくれて肩を抱いてくれる人がまた現れたらいいな。
梅雨時期になると聴きたくなるフィッシュマンズ。
彼らのDAYDREAMって曲を聴きたくなってきたのでこの辺で。
〜死ぬほど楽しい毎日なんて、まっぴらゴメンだよ。
暗い顔して、2人で一緒に雲でも見ていたい。