これの前にみた「しあわせはどこにある」でも似た言い回しがあったが「他人を幸せにするためには、まず自分自身が幸せになる必要がある」と。ぼくもそれを自分に言い聞かせ、いろいろ乗り越えて生きてきたつもりではある。
しかし、これほどの苦しみと苦悩に堕ちた人間に他人がそれを強いる事は絶対にできない。
男は誰かに頼る生き方は出来ないが故に不器用で脆い。とても静かで、重く、リアルな物語。
周囲のほとんどの人間が彼をどう扱っていいか解らないでいる中、甥っ子のガキっぷりが彼自身の自立を促していく。そして、もと奥さんの悲しみと後悔の言葉。
ドラン作品を思い出すとこも多いけど、それとは違って、ささやかながら最後に、再生に向かう姿がみれてよかった。