おもち

マンチェスター・バイ・ザ・シーのおもちのネタバレレビュー・内容・結末

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このレビューはネタバレを含みます

映画の中でところどころ出てくる気まずいシチュエーション(自分について話しているのが聞こえてくる、無駄な事で行動を制限される、周りが煩くて声が通らない等)が、この映画では割と重要な役割を果たしていると思った。

リーが抱える心の傷、本当に観ていてつらかった。自分の過去と向き合うきっかけになるのが これもまた自分にとって大切な人の死っていうのが…よく出来てるといえばそう。

何かすごく大きな出来事があって心に傷を負ったとして、それを乗り越えようと思えるか、実際に乗り越えられるのか。それは当人が決めることで、決めたとしても実現できるのかはまた別の話で…
リーが元妻(老けてもかわいいミシェル・ウィリアムズ)と再会したシーン、個人差というか男女差というか…、ここでもまた気まずい(居た堪れない)空気が流れてた。新しい家庭を持っているからって過去を克服できているとは限らないし、過去を克服できてなくても新しい家庭を持てるのが、女だからこそって感じだなぁと思った。

最終的にリーはマンチェスターを離れることにしたけど、それは前の時みたいに逃げるってことではなくて、もうこの傷とは一生付き合っていくしかないって腹を括ったからこその選択なんだと思った。大事なパトリックを巻き込まないためにも、というか。パトリックも、あの年齢だからこその気持ちの揺れ動き方がリアルだった。
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