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ファウンダー ハンバーガー帝国のヒミツのShinMakitaのレビュー・感想・評価

2.3
スパイダーマンで存在感を示したマイケル・キートンが堂々主役を張った映画も公開中。歌舞伎町のIMAX3Dでスパイディを観た後は、靖国通りをテクテク歩いて角川シネマへ…


1950年代初頭。カンザスのレストランを回ってマルチシェイクマシン(一台で複数のミルクシェイクを作る機械)を売り歩く冴えないセールスマンのレイ・クロックは、ある日、電話でマシンを8台注文してきたレストランがあるとオフィスから聞かされ、早速クルマを飛ばす。場所はカリフォルニアのサンバーナディーノ。長旅の末、彼が見た大繁盛のレストランは、過去に例のない画期的なものだった。マクドナルド兄弟が経営するそのバーガーレストランには、注文を訊きにくるウエイトレスがおらず、客自ら窓口に並ぶ。メニューもバーガーとポテトとシェイクだけ。バーガーを載せる皿もなく、紙包み。しかも安く、注文して数十秒で手にすることができる…これまで、バーガーと言えばドライブイン式が一般的で、ひたすらクルマの中で待たされるのが常であったのに、ここはスピードを重視し、徹底した合理化で値段を下げている。レイは窓口に並ぶ客の行列に魅了され、このビジネスモデルは当たると確信。マクドナルド兄弟にフランチャイズ化を持ちかける…


「ファウンダー ハンバーガー帝国のヒミツ」。いやぁ、これは面白かったなあ。マイケル・キートンのキャラが、レイ・クロックがやってきた行いに物凄く説得力をもたせていましたね。才能がある奴も、生まれながらの天才も勝つとは限らない。最後に勝つのは根気のある奴だ…というレイの哲学、その非情さと仁義に欠ける振る舞いを嫌悪しつつも感銘を受けてしまう。いわば憎めない悪役ですよね。まさにキートンのハマり役でした。ファウンダー=創設者というタイトルも皮肉が効いてるし、語り口も巧く、解りやすくて起伏のある伝記映画。マクドナルドが食いたくなること請け合いです。
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