もちこ

菊とギロチンのもちこのレビュー・感想・評価

菊とギロチン(2016年製作の映画)
3.6
弱いやつは何にも変えられない
絶望は滅亡じゃないぞ



アナキストと女相撲人々を群像劇化したらそれぞれはもちろん素敵だけど、長い。
結局暴力でしか解決できない感じが時代的に仕方ないにしろ、すこしイラッとしてしまった。
獄中の手紙?をナレーション的な感じで叫んでる演出も、理解はできるしやりたいこともわかるけど、かっこいいかと言われたら、うーんという感じ。

他のユーザーの感想・評価

素晴らしかった。

軍国主義の日本。
皮肉なことに戦争を推奨する者の中にも、何のために、誰のために戦っているのか、それが正しいのかさえ分からない。
そして覆い重なるように訪れる関東大震災により相次ぐ難民、干ばつ。

自由に。格差のない社会に。
登場人物皆、今の時代よりも遥かに根が太く沸々とした憤りを感じる。自分がなんて贅沢なんだろうとすら思えた。
女であること、国籍が違うこと、貧しい身分であること、そういうの全部ひっくり返して「世の中を変えたい。力を奪い返したい。」

強くなれば今まで諦めてたことができるかもしれない。このやりきれない悔しさ、憎しみを覆せるかもしれない。
そんなことを女相撲を通して感じられた。
eiganoTOKO

eiganoTOKOの感想・評価

4.5

このレビューはネタバレを含みます

このノンポリとリベラルしかいない地獄社会で、天皇制批判、アナーキスト、プロレタリアートと女相撲、DVから抜け出すために強くなりてえ女、差別されてるとはいえレズビアン(ゲイではないとこもポイント)を描くだけで最高とまず言いたいわ。
そんで、俳優に在日女性がいるってんだから、つべこべ言わずに満点だろ!!!
亭主の元にしょっぴかれる小桜に、「こざくらぁぁぁぁ!!」と叫ぶやつらとナカーマになりたい!!
憲兵に連れてかれそうになった仲間を守るため、親方に守るって言ってただろうがぁ!と男ぶん殴る大関すきぃぃぃぃ!!!

…と激賞したいとこだけど、脚本原作の書籍化した栗原康の限界。
女にだらしない男を支える女像から抜け出せない限界にイラっ
童貞野郎と叫びながらアナーキスト仲間殴るのイラっ
女ひとり救えねえで何が革命だ、の台詞にイラっ
神の怒りを買い、雨を降らせることで干魃対策で女相撲が呼ばれた、にイラっ
女相撲の強さが結局男の腕力でレイプされ全然役立たねえことにイラぁっ

時代、史実の限界といえばそうだが、ギロチン社と女相撲が出会っていたら?のファンタジーなんだから、どうせならもすこし女の見せ場出せコラ。
栗原康と言えば、伊藤野枝の本でも自由恋愛してるノエさいこー!みたいな褒め方しかしてなくて、自分の解釈だらだら書いて女のふしだらってよくねえ?!みたいな文章が世間的にはウケてるけど、ある種のパターナリズムしか感じないんですよね。
まずそのふしだら最高褒めが男の幻想だってこと理解しとけメーン?

あとギロチン社の中浜哲が、満州行ってみんな平等作りたいとかぬかすが、それアナーキズムじゃなくて植民地支配とどう違うわけ? 史実に忠実だとしたらオマエそこんとこどう考えてたんだよ、と問いたい。
彼らが死刑になったのは許すまじだが、ギロチン社は平等社会は作れないね、残念でした〜と、嫌味のひとつでも言いたくなる。

でもまあいい映画です。
なんぼなんでも長いが笑

在日女性の十勝川が、首切られそうな男を守るため、天皇陛下バンザーイって泣きながら叫び、自警団が同じく万歳叫んだ時にタックルして黙らせるシーンはクソ泣ける。名シーン。
貧困層の農民の気持ちわからんボンボンに対する「右翼」側のいいぶんもリアルでいい。

今だって地震があった直後に井戸に毒デマがミーム化して差別をギャク化してるし、「いい在日」を演じさせててたいして変わらんグロテスク状況。
日本は市民革命が今まで一度も起きてない全体主義国家ばんざーーーーい!!!

しかし自警団てどの時代でもクソメンしかいないのはなぜなの教えて誰か…。
189分て!でも木竜麻生とか山田真歩とか大好きだから観れるわ。笑井浦新出ると映画は締まる。
この時代の人種差別、男尊女卑、格差社会。
東出って小物の役合うよね。
これは天皇陛下が嫌われるのもわかる。
女相撲の暗い歴史。
さすが瀬々監督、体張った演技とか怒鳴り演技はシーンは迫力。
木竜麻生は最高だな!!
暴力だろうと経済力だろうと力こそパワー!!
現実は残酷!!

最後のスポーツマンの笑顔に泣いたわ。
Hiroking

Hirokingの感想・評価

1.5
〖青春群像劇〗
大正末期にあった女相撲の青春群像劇らしい⁉️
長いわ…ダラダラふぎて辛くなって…止めた作品でした😱💧

2021年1,722本目(▲164)
この作品が前後編じゃない理由がわかった気がする
闘う女性は美しい

タイトルバックの出方かっこよすぎ
木竜さんはもちろんですが大西さんの演技すばらしい
東出はこういう古い役が似合う
TT

TTの感想・評価

2.0
ふた昔前の下手な学生演劇のような芝居をずっと見せられる苦痛。映像もよろしくない。
mashako

mashakoの感想・評価

-

このレビューはネタバレを含みます

こういうの読まないとこの映画の意味わかんねーよ。
『ギロチン社リーダーの中濱鐵と古田大次郎を中心にして、仲間達との友情を描く青春映画みたいなものが出来ないか?とずっと思っていた。でもギロチン社は最終的にテロに走り、なかなか一般の人達からは理解できない。リャクと言って企業から金を巻き上げては、稼いだお金を酒と女に使う。俺らみたいなアホな男子は「いい感じやなー」と思うんだけど(笑)まあそういう男子ばかりではないので、映画としてはなかなか難しいなと。
そんな頃、1990年に出版されたばかりの井田真木子さんの「プロレス少女伝説」という本を読んで、そこに女相撲の歴史のことが書いてあった。明治時代に女相撲という興行が始まって、農村の婦女子達がそれを見て家出同然で追っかけて行って力士になったと。何故ならば当時農村の婦女子は、すごく虐げられたと。すごい男性社会で男の子は家を継ぐから重宝がられたけど、女は女工になるしかなかった時代に、力士になって女相撲で強くなれると。これはいいな、と思って。
「菊一輪ギロチンの上に微笑みし 黒き香りを遥かに偲ぶ」そういう短歌句だったんだけれども、菊っていうところを花菊という名前にして、女相撲の映画にしようと。『菊とギロチン』だと!このタイトルだとイケてるなと思った(笑)。それでやり始めた。(瀬々敬久監督 2018-7-20 Cinema Art Online)』
長すぎる…
歴史的な背景を入れないと言うのはわかるけど…
純粋に女相撲に向き合う話のが良かった敵わない😔
しかし、偏見に満ちたしょうもない時代だな😩
278分の『ヘヴンズストーリー』程ではないがそれでも長過ぎ。これだけ長々とやってもギロチン社パートが退屈なうえに中途半端なので、女相撲メインにして尺を削ってほしかった。

非メジャー邦画でお馴染みの面子が大勢出てる。
theory

theoryの感想・評価

-
男は弱いと打ちひしがれる。女の強さには、ひっくり返っても勝てないとさえ感じる。

その時代の空気や雰囲気を理解するためには、これだけの時間がかかるのだろうか。結構、長かったけど、最後まで観ることができた。

山形が女相撲ゆかりの地とは知らなかった。
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