KenjiFukushima

菊とギロチンのKenjiFukushimaのレビュー・感想・評価

菊とギロチン(2016年製作の映画)
3.0
冒頭の覗き穴ショットより監督による観客への引き込みが始まる。この作品は他人事じゃねえぞ。お前らしっかり見ろよ。そんな思いを感じさせる力強いオープニングだ。このままこのテンションでぶっ飛ばしていくと思っていた。いや、ぶっ飛ばしていたのだが映画の重要な要素であるセリフ。これが聞き取りづらい人が5人くらいいた。聞き取りやすい人と聞き取りにくい人のギャップが激しかった。小さなことだが今なんて言った?と逡巡を何度も繰り返すと結構なストレスになってしまう。これは辛かった。
この作品は怒っていた。全員怒っていた。強烈なエネルギーにより前進を続ける登場人物たちが何も成し遂げることがきないどころか全て崩壊してしまう物語なのだがそんなエネルギーすらも無くなってしまっている現在に怒っていた。
菅田俊さん結構走ってたな。おじさんが走る映画。おじさんが走る映画っていい。

土俵までたどり着けなかった女とたどり着いた女。この違いはいったい何だったんだろう。無常だが現実。彼女たちのせいではない。

長い!