えりみ

菊とギロチンのえりみのレビュー・感想・評価

菊とギロチン(2016年製作の映画)
4.4
時代は関東大震災直後の大正末期
山形発祥で昭和30年代に衰退したといわれる女相撲と
これまた当時実在したアナーキスト集団を物語の両輪とし
オリジナル脚本をこしらえた
瀬々監督作品は3時間9分の大作に😓

構想30年の本作は
自主製作の為か特別興行料金となっており、大人通常料金二千円😨
あらゆる点でハードルの高い本作、
ネット予約状況も芳しくなかったので
劇場独り占めする気で行ったら、
平日午後の回でも半分以上席が埋まってた😲

ヘヴンズストーリーほど難解でもなく
ロクヨンみたいに2本に分けなかったのも良かったし、
何より真面目か宇宙人しか出来ないと思っていた東出昌大クンが
女郎相手に激しく腰を振り、
挙げ句の果てには梅毒由来の膀胱炎に苦しみ、
何故か真っ裸になって土下座するという
破天荒キチン野郎を見事に体現する姿を目撃出来たので大満足♨

瀬々監督は
「映画はプロパガンダではない」ってインタビューで言うてるので
こういう感想でいいはず。
東出君の相方が例の佐藤浩市の息子ってやつかぁ。
公開時期が前後したけど
本作が初出演作になるらしい。

主演女優をレイプするクズ夫役は「恋人たち」で主演してた人やん!
気弱でエエ人な庄屋さんに嶋田久作をキャスティングする妙😌
渋川清彦は初っ端から登場するもなかなか見せ場なく
「アレ?無駄使い??」と思わせといて〜の怒涛の追い上げ😍

男性陣ばっかり書いたけど
実は肝になってるのは玉岩興行社(あの半纏欲しい)の女力士達で、
取組姿や食べっぷりが画になってるのも彼女達。
相撲甚句もイイ♪
主演の木竜麻生(全然読めない)の初々しさと体当たり感はキャラにマッチしてるし
ムチムチ感もエエ感じ😁
韓英恵はもう今更云うことないし
また彼女も出自そのものキャラ。
勝虎役の大西礼芳もどっかで見たような気するんやけどなぁ、
あの勝ち気な顔立ち。
最初見た時はまさかと思って
クレジットで再確認した嘉門洋子がエエ役もらってて
予想以上に貫禄あって魅せる。
グラビアから女優に転身後MUTEKIに出た時は😨😍😫と思ったけど良かったヨカッタ。
所詮アナキストやな🚬と思う男の情けなさに比べ、
虐げられても挫けない女の強さが際立つ。


あんなに悲しい「天皇陛下万歳🙌😭」聞かされるの辛いって思ったけど、
後の昭和天皇暗殺未遂「虎ノ門事件」も知らなければ、
在郷軍人が話すシベリアの話は
第一次世界大戦後の「シベリア出兵」の話で、
日露戦争の事ではない(映画観てる間ずっとモヤモヤしてた)って事も
後でググって分かった自分の歴史認識の低さが恥ずかしい。

暗いところをギリギリ見える加減で映し出すカメラといい
ロケーションや衣装のこだわりといい
特別料金払っても納得の出来なので、
カメ止めほどエンタメではないですけど是非。
えりみ

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