しゅぴけ

花戦さのしゅぴけのレビュー・感想・評価

花戦さ(2017年製作の映画)
3.0
「みな、それぞれに」

いくつか驚きがある映画だった。
池坊という宗派が今もあること、そしてその始まりがお寺だということ。
華道というのはもっと華やかなイメージだったのでまさかお坊さんが生けていたなんて。
松を切ったり削って継ぎ足したり、まるで大工仕事のような作業をしていたことも。剣山に花を挿すだけとばかり……
ポスターや予告から感じられるコメディ寄りな雰囲気は中盤までで、後半はなかなか暗くてシリアスな話だったのもそうだ。
大茶会の後辺りから雲行きが怪しくなってあの始末!なんてことをしてくれたんだ秀吉公!
その秀吉を松と猿で諌めたのは爽快で見事だったが、それでも池坊の仲間を想うとあまり気持ちは晴れない。
野村萬斎のオーバーとも取れる演技と佐藤浩市の静かで渋い演技の対比はとても面白かった。間逆とも言えるくらい違うのに、見ているうちに2人がピッタリ噛み合っているように感じるのがまた不思議。
脇を固める俳優たちの中では中井貴一の存在感が群を抜いていたように思う。ちょっとしか出番がないのは勿体無いね。

れんみたいなちょっとくしゃっとした感じのショートカットにすこぶる弱い。
それだけで4割増くらいに可愛く見えてしまう。
いけない。
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