もんきち

ウインド・リバーのもんきちのレビュー・感想・評価

ウインド・リバー(2017年製作の映画)
4.0
「これはいいです」

ゆるーりとした序盤。FBI捜査官の登場からジワジワと話は動き始めますが話の本軸は犯人捜しではありません。それより頻繁に出てくるのが「管轄」「権利」「権限」といったワード。そもそも「先住民保留地」という舞台の性質がこの映画のカギなんですが、逆さまの星条旗の意味なんかも日本人にはちょっとわかりにくいですよねー。
自身の娘の話と重ね合わせる主人公の心情や、FBI捜査官の正義感もサラリといい塩梅。この辺クドクドやられるとしんどいですので〇。
最後の主人公の遠距離狙撃はカタルシス。撃つ所のシーンがなくて撃たれるシーンだけなのもナイス演出。主犯の男への対応はちょっと薄かったです。もう少し意表を突くアイデアが欲しかった所。
そして静かなラストが実にいい。久々に上質な観後感。
しかしこの監督、俯瞰空撮シーンの扱いが実にウマいです。「ボーダーライン」でもいい効果出してましたね。
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