ウインド・リバーの作品情報・感想・評価

「ウインド・リバー」に投稿された感想・評価

トランプ政権下のアメリカの闇を物語を通して発信するアメリカの作家は、何気にこの人しかいない気がする…。
murataku

muratakuの感想・評価

3.9
重厚感のある110分
銃声が安っぽくなくていい。

統計ばっかり追いがちな日々なので、
統計がない
ということの重みの大切さはハッとさせられました。
アメリカのド田舎(辺境)を描いた作品が好きです。
その多くが暴力的で、排他的で、まったくもって前時代的でジーザスクライストなものが多いからですが、今作にも驚かされました。

先住民居住地の現状ってこんなに酷いのか!

子どもの頃に観たジョニデの『ブレイブ』も先住民居住地が舞台だったことを知り、この映画をキッカケに点と点が線で結ばれました。

土地を追われ、居なかった者のように扱われてきた理不尽は、現代もこうして先住民を苦しめ続けている。

雪原を染める血は、アメリカが築いてきた暴力の歴史と言っても良いと思います。

ジェレミー・レナーが西部劇でいう法の執行人のようですが、その銃口は今、見たくないものから目を背けてきた人々に向けられているのです。
害獣の駆逐などを目的とするハンターのコリーは雪原の奥深くで若い女性の死体を発見することから物語は始まる。

季節は冬、断続的に雪嵐が吹き荒れ、気候は過酷。そして、事件の起こった土地はネイティヴ・アメリカンの居留地ウインド・リバー。強制移住と保護政策が町と人心をすさませている現実を背景にストーリーは進む。

コリーはFBIから来た若い女性捜査官のジェーンに協力して、事件の真相と犯人を追う。
捜査モノであり、バディ・ムービーであり、親子(というより、子を喪った親)など複数のテーマがからんでいて見応えはたっぷり。

零下30度にもなる厳しい自然。「ここでは人も動物も強くないと生き残れない」とコリーは言う。かような自然を背景に、人が人を裁くことの意味を問うラストも悪くない。
良作。
natsuki

natsukiの感想・評価

4.8

このレビューはネタバレを含みます

気になってたけど観に行けてなくてとりあえずネタバレみたら、もう絶対映画館で観なきゃだめだってなって、下高井戸まで行ってきた。

初めて怒りで体が震えた。
雪の中、裸足で走った彼女たちを想うと、悔しくて涙がでた。
自然より何より、人を不幸にするのは人だという真実。
何もかも奪われた人たちが、法に守られずに生きる世界があるという真実。
無秩序の中で女という性の弱さが浮き彫りにされて、苦しかった。

スクリーンいっぱいの白い景色が綺麗で、孤独で、呑み込まれそうだった。
スノーモービルで自由自在に駆け回るシーンがめちゃくちゃかっこよくて、鳥肌、、。
映像と音楽にどっぷり浸かること、感情を刺激すること、考えさせること。映画としてとてもよく出来ていたと思う。
映画監督という仕事の意義深さを感じた。

誰も救ってくれない。生きるか、諦めるか。
犯人を追い詰めても痛みは消えない。コリーが「世界には勝てない。だから感情と戦う。」と言う。なんでだよ。彼らの尊厳が守られる世界であってほしい。
とがり

とがりの感想・評価

4.0
かつて先住民たちが追いやられ、雪と静寂以外の全てを奪われた地、ウインド・リバーを舞台に連続する少女の変死事件を追うFBIと現地のハンターの物語。

実話に基づく、というのが本当に遣る瀬無い。
魂も凍って砕け散るサスペンス映画。
kei188

kei188の感想・評価

3.0
やっと鑑賞実現。
重い話ですが、その重さが実感として、身近でないというのが、正直な感想。
大々的に差別を問題として問う作品ではないけれども、散りばめられたエピソードとは先住民族の差別。それがいかに卑劣なものか、というものは会話の端々、そして、最後の最後ににも語られるが、やはり、日本に住む日本人であるが故、身につまされるものがない。こんなことではいけないのはわかるが...。
サスペンスとしては、見ごたえがあるが、秀逸のストーリーですが、やはりなんで?と奥深いことを考えようとする、ピンとこないところが、端々に。
作品が残念ではなく、私が至らないだけ。

コリー、ジェーン、ベンも登場人物としてかっこいいし、ストーリーも面白い。だけどそこに潜む差別という問題が身に染みてわかれば、もっと面白かったに違いない。

トレーラーの前で、ジェーンやベンと採掘現場の警備員たちが対決する。連邦の管轄というまでは理解できたが、なんで銃撃戦にまで発展したのか。よくわからなかった。

2018年ー74本目
アブソ

アブソの感想・評価

4.0
数ある失踪者の統計にネーティブアメリカンの女性のデータは存在しない。実際の失踪者の人数は不明である

この映画終盤に出てきたテロップ、そしてこの映画が実話を基にしているということに衝撃を受けた
ジェレミー・レナーの演技も圧巻で、悲しい作品ではあるけれど、1度は見るべき映画です
standard

standardの感想・評価

4.5
悲しくて辛い。
銃撃シーン。
凍死の辛さ。
やったことないフェイスペイント。
ぺん

ぺんの感想・評価

4.2
ジェレミー・レナー、エリザベス・オルセン、更にジョン・バーンサルとマーベルヒーローが3人も登場して描かれるアメリカの闇。
先住民迫害については上辺を知っているだけで、普段は馴染みがない。
そう思っていたけれど、これは日本でも、どこでも起こりうる忘れられていく人々の話だった。

サスペンスとしても飽きずに観られるし、ジェレミー演じるハンターの復讐には溜飲が下がる。
キャラの立ち位置の割にちょっと喋りすぎだとは思うが最高に格好いい。

ネイティブアメリカンの父親の「誰も教えてくれないから死化粧は適当にやった」というセリフに全てが集約されている気がする。
消え去る文化や民族の歴史に胸が痛む。今これを描かなければという監督の意志が伝わってくる。
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