ウインド・リバーの作品情報・感想・評価

ウインド・リバー2017年製作の映画)

Wind River

上映日:2018年07月27日

製作国:

上映時間:111分

あらすじ

雪深いアメリカの、ネイティブアメリカンが追いやられた土地“ウインド・リバー”で見つかった少女の死体―。新人捜査官ジェーン・バナー(エリザベス・オルセン)が単身FBIから派遣されるが、慣れない雪山の厳しい条件により捜査は難航。ジェーンは地元のベテランハンターで、遺体の第一発見者であるコリー・ランバート(ジェレミー・レナー)に協力を求め、共に事件を追うが、そこには思いもよらなかった結末が・・・。

「ウインド・リバー」に投稿された感想・評価

TomoHojo

TomoHojoの感想・評価

2.8
いくら実録ベースだとしても、
そんなオチで良いのかいな?
というのが第一印象。
そして、題材は決して悪くないのに演出の緩さが否めない。
個人的には緊張感もあまり感じなかった。
ネイティブアメリカンの保留地を舞台に基本アメリカの闇の部分を描きたかったのだろうが、
自分には中途半端な印象しか残らなかった。
絶好の設定なのだから、
いっそフィクションとして製作した方が良かったのでは?
期待していただけに、闇へ踏み込みきれてない感じが残念でならない。。。
小枝を切ってつけて完成されたテイラー・シェリダン自己複製品。
Kayococo

Kayococoの感想・評価

3.5
とにかく酷く酷い、悲しい、、、これが実話を基にしたストーリーなんて、、、
ネイティブアメリカンの世界ってよくわからないけど、差別されてるところがあるのかなと感じさせられた。
雪の中を6マイルも走った少女のことを思うとほんとに胸が痛む、、、
AngieLee

AngieLeeの感想・評価

4.0
実話に基づいたサスペンス、アメリカの先住民居住地域ウインド・リバーで起こった少女殺人事件を、地元のハンターと新米FBI捜査官が真相に迫っていくストーリー。

主演は、「ハート・ロッカー」のジェレミー・レナーと、「アベンジャーズ」シリーズのエリザベス・オルセン。

サスペンスでも、とても、考えさせられる作品でした。ストーリーを通して、アメリカの中の闇の部分を読み取ることでできます。

事件が起きても、アメリカであまり重要視されなかった。ネイティブアメリカンが差別されてたことの肌感が伝わってきました。そして、地元の人々の怒り、白人との溝の深さ。

ジェレミーが演じる主人公コリー、彼の経験したことについて、多くは語られていませんが、彼の抱えられ怒り、悲しみ、愛おしさ、表情からリアルに伝り、静かなシーンの中から多くの感情を読み取ることができる。

『ボーダーライン』『最後の追跡』の脚本家テイラー・シェリンダンの初監督作品で、ショッキングなシーンもあり、後味の良い映画とは言えませんが、視聴者の想像を掻き立てることによって伝える描写がアートでした。
レイプ被害、全米平均の2.5~4倍
殺人件数、全米の7~10倍
行方不明女性の数、全米平均を大きく上回る
そこが「ウインド・リバー先住民居留地」
平均寿命は49歳、失業率80%

若い女性にとって地獄のような土地。
アメリカの隔離政策は、ネイティブアメリカンを産業もなく、夜は急激に冷気を吸えば肺胞が凍結して窒息死する、そんな過酷な環境に追いやった。
あからさまな差別があり、ネイティブアメリカンの女性がレイプされてもアメリカ連邦管轄の土地なので州法が効かず犯人が裁かれない。なので異常にレイプ事件が多いという。

男たちは希望も未来もない雪だけの土地でヤクに走り、
女性は襲われる不安に怯え、
娘の親は、殺された娘を想い涙する。

「都会と違って運などない、生き延びれないのは弱いから」
完全に弱肉強食の世界。無法地帯だ。
肺胞だけでなく人の心も凍り付く。情けも容赦もない。
生き残ることさえ過酷な場所。

レイプされて死んだ女性を捜査するうち、
過酷すぎる環境と、そこで希望をなくして荒廃していく人々の姿が見えて来る。

法が効かない世界。
だからハンターである主人公は自己流のけじめをつける。現代の西部劇。
見て寒々とするのは、零下の白銀の世界だからじゃない。
そんな土地で、あなたにカワイイ恋人や娘が居たらどうしますか?
ホラーよりも身が凍る実在の場所。
『ボーダーライン』の脚本のテイラー・シェリダンが初監督を務めた作品

アメリカの先住民居住地域で起こった少女殺人事件を地元のハンターと新米FBI捜査官が調査するというストーリー

『ボーダーライン』では、メキシコとの国境付近でのアメリカの社会の暗い所を描いていましたが、本作でも同様にネイティブアメリカンたちの暮らしがどのようなものか映画を通じて学ぶことが出来ました。
新米FBI捜査官が徐々にそういった現地の現状を把握し、自分の無力さを痛感するのは『ボーダーライン』のエミリー・ブラントっぽい。

今作の主演2人は『アベンジャーズ』の2人。見どころは相変わらずのホークアイ。
YM

YMの感想・評価

4.5
これは良い! アメリカに今もなお続く開拓時代の禍根を考えさせつつも、やはりメインとなるのは「それでも由緒正しきアメリカ人の正義」の体現者たる主人公が牽引する正統派ハードボイルドな物語。公開したらまた観にいきたい。
ソノ

ソノの感想・評価

4.9
『最後の追跡』がとても好きでその脚本のテイラー・シェリダンが監督・脚本、出演がジェレミー・レナーとエリザベス・オルセン、大好きなギル・バーミンガムということで嫌でも期待値上がっての鑑賞だったけと、軽く期待値超えてきた。


サスペンス、ドラマ作品としても良作で映画としての作り方も丁寧でさらに音楽もいいし脚本は言わずもがなで素晴らしい上に、内容も「いわゆるエンタメ作品として主人公にはならない人々」「社会(メインストリーム)から取り残された人々」「今のリアルなアメリカに住む人々」が描かれてるのがとても良かった。こういう映画が見られるのは本当に貴重で素晴らしい体験だと思う。


『スリー・ビルボード』もメインストリームからは外れた人々の映画で”アメリカの闇”と言われるけど、実際に生きている人々にとっては闇でもなんでもなくそれが”日常”であるのがやるせないしとても苦しい。



『最後の追跡』から再タッグのテイラー・シェリダンとギル・バーミンガムだけど、今作では本当にギル・バーミンガムさんの演技と立ち位置が素晴らしくて…。
ジェレミー・レナー演じるコリーとの深い友情も、あからさまには描いてないがはしばしによく現れていて良い。出番自体は少ないけれど、エンドクレジットで3番目に名前が出てくるのは納得だし今後のバーミンガムさんの映画もとても見たいと思う。とりあえずトワイライトシリーズとローンレンジャーは見ると決めた。本当に彼の演技は良かった…。


ラスト、マーティン(ギル・バーミンガム)がコリー(ジェレミー・レナー)に語るセリフとシーンが心に残る。


2018年は上半期に良い映画が沢山だったけど、今作も確実に今年のベスト入りの映画だ。
HarunaYagi

HarunaYagiの感想・評価

4.0
雪に閉ざされ社会からも隔離された地での出来事を冷房が強くて寒いという思わぬ4D環境の試写にて鑑賞。「最後の追跡」「ボーダーライン」の脚本家による初監督(もちろん脚本も自ら)作品。とてもよかった。とても好きなタイプの映画。痛ましいアメリカの一面をまた垣間見た。

静かでシリアスで、かなり緊張した状態でラストまで進んで行くので、引き込まれっぱなしで終映時にはしばらく放心状態だった。

地元のハンター役のジェレミーレナーの物静かな中に強い熱を感じる演技は秀逸で本当に良かったし、「たまたま呼ばれてしまってペラペラの服で雪深い場所に来てしまった」FBI捜査官のエリザベスオルセンも好演。このふたりの距離感がまた良かった。

白人とネイティブアメリカン、地元民とよそ者、有識者とそうでない者、男性と女性。いろんな対比が描かれていた。過去二作でもそうだったけど、この人の脚本はいつもこの対比がうまいように思う。

慌てて未鑑賞だった「ボーダーライン」を見て、ようやく整理がついてきた…。
Oto

Otoの感想・評価

4.2
試写会

非常に重たいけど素晴らしかった。
遺族をテーマとした社会派人間ドラマであり、凸凹バディのアクションもあり、衝撃のクライムサスペンスでもある。

「鹿児島と同じ大きさの地域に警察が6人しかいない犯罪多発地域」って異常な設定に思えるけど事実。FBIと州警察と連邦警察が管轄を争ってる複雑な警察システムもコントみたいだけど事実。

とんでもないタイミングでとんでもないシーンを挟む、っていうのを何度も繰り返されて呆然としてた。タランティーノとも北野武ともまた違った残虐と驚愕。多忙で中盤眠かったけど終盤かなり引き込まれた。

こういう社会派の映画って伝えたいメッセージだけが先行して、鑑賞体験としての完成度がイマイチになりがちだけど、脚本演出がとても巧いから飽きない。
ベタな展開も入れつつ新鮮な展開も多い。カメラワーク、死体の映し方、音楽、銃撃戦どれも凄かったけど、ピークの回想シーンの始まりと終わりにおける「切り替え」はここ数年でもダントツに印象に残った。

ミステリーとしては明らかなヒントを提示しながら順調に進ませて、無駄に引っ張らないみたいなバランス感覚。
ヤク中若者たちの演技はくさすぎたけど、遺族や被害者の演技は凄まじかった。催涙の演技と視点も良い。

『最後の追跡』でも感じた、どこか哀しいコメディ色も好み。笑っちゃダメなとこで笑いそうになる。
あえて雪の世界を舞台に選んだのは『Fargo』『Hateful8』のように赤い血が映えるからというのに加えて、冷たい世界においては僅かな暖かさに気づけるからだろうなと思った。

「アベンジャーズの2人の共演楽しみだ〜」くらいの気持ちで観に行ったら、自分の弱さとか甘さとかまであぶり出されて打ちのめされてた。自分は走れる側の人間なんだろうか...諦めずに戦える人との繋がりを持ち続けられるのだろうか...って。
でもこのコンビの経緯とか死化粧が示すように、大事なのは手柄や復讐ではなくて、他人を思いやること=(『ワンダー』で言う)「正しさより優しさを選べるか」なんだと感じた。痛みには慣れてしまうから、忘れないためには逃げずに戦うしかない、っていう助言も良かった。

難解ではないけど、(意図的に?)わかりづらくしているような描写が多かったので、公開したらまた観たいな。
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