木村優希

ウインド・リバーの木村優希のレビュー・感想・評価

ウインド・リバー(2017年製作の映画)
4.5
ジェレミー・レナーとエリザベス・オルセンが共演ということで絶対観なければ、と思っていました。
これは観て良かった。「実話に基づく」ということでとても重いけど。

「ワイオミング州ウィンド・リバー保留地」
ネイティブアメリカンの住むこの土地で、人の寄り付かない雪山で、一人の少女が遺体で見つかる。
走ってきた足跡。この雪の中裸足で、何から逃げていたのか。

物語は、主人公のコリー(ジェレミー)が雪山で少女の遺体を発見するところから。
捜査の為にFBIのジェーン(エリザベス)がやってきて、雪山に残る唯一の手掛かりになるスノーモービルの跡を辿ることに。

閉鎖的だからなのか、主要人物が少ないからなのか、とても濃密で深い。クライムサスペンスとしても洗練されててすっきりしている感じ。ジェレミーの安定感とエリザベスのいい意味での余所者感。とても良い。
キャラクターの関係が出来すぎている気もしたけど、これくらいガチガチに凝り固まっている方が見易いかも。

コリーが娘の話をするところは辛い。そしてラストのコリーとジェーンのシーンは泣いてしまった。この人はもうずっとあの雪山から出ることはないんだろうなと思った。

少女は裸足で雪道を10㎞走ったそうです。
青空があんなに虚しく感じるのも、なかなかない。
木村優希

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