のうこ

ウインド・リバーののうこのレビュー・感想・評価

ウインド・リバー(2017年製作の映画)
3.3
なかなかの良作。カウボーイとしてのジェレミーレナーとインディアン居留地。カウボーイの追跡劇。序盤の方の、台詞を用いずに視覚的に効率よく物語を処理していく姿勢が好き。鏡を使ってジェレミーレナーの殺された娘とエリザベスオルセンがダブらせるところや、エリザベスオルセンが殺された少女の母の憔悴ぶりに引いているときに、ジェレミーレナーが扉を開けて登場し、夫も泣き崩れる(家の外、フレームの外)ところの処理などなかなか楽しい。このショットだけでこの2人の関係性が分かってしまう。後半の撃ち合いのシーンが撮り方がイマイチなので思ったより盛り上がらないのは残念だが、ライフルの外からの狙撃で家の中をぶっ飛ぶ人を観れるのは◎。ラストでインディアンとカウボーイが肩を寄せ合う現代的な場面は、図式的過ぎる気もしなくはないが、あのショットには抗えないですね。ヴィルヌーヴのようなおバカさんが撮ったボーダーラインの評価がなぜ高いのかはなんとなく分かった。
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