motoietchika

ウインド・リバーのmotoietchikaのレビュー・感想・評価

ウインド・リバー(2017年製作の映画)
3.8
雪の冷たさと暴力にあふれた傑作。中盤まで地味な家族・文化のドラマをメインに展開するけど、見所はたくさんある。
スノーモービルの速さと迫力だけをただ見せるだけの移動シーンがダラダラ続いたりするところが最高。わかる~~~~と思いながら雪の飛沫を画面から浴びた気分。

終盤でトレーラーを目前にした駆け引きの描写は鳥肌もの。互いに銃口を突きつけ合い牽制する状況を、FBIのヒロインが宥める……!
張り詰める緊張感と、雪山の孤独はとても似ている気がする。

そして惨劇に至る銃撃戦と過去の真相の描写が重なるところであまりにも強烈なカタルシスが生まれた。
猟銃?で人間が軽々と吹っ飛ぶところはどうやって撮ってるんだろう……。あの頼もしさったらない。

「スリー・ビルボード」を思い出すような怒りと復讐の物語。でもこちらのほうが痛みに満ちていたな。凍傷になった指を切り落とすみたいな鑑賞体験だった。
motoietchika

motoietchika