フォローしている方のレビューに「鳥取より人口が少ない」とあったワイオミング州。何も知らないので調べてみたら(Wikipedia調べ)、総面積が約250000㎢で日本の本州よりやや大きい。それで鳥取より人口が少ないと言うんだから、大変なものである(？)。ワイオミングの意味は先住民の言葉で「大平原」。州内にイエローストーン国立公園を有する。主要産業は農業と観光で、皮肉なことに州の愛称は「平等の州」である。元々多くの先住民族が居住する州だったが19世紀に他州へ強制移住させられ、アラパホ一族とショーショーニ一族のみ白人に対する長年の功績が認められて居留地を「与えられ」た。今なお先住民と白人の軋轢は絶えない。
しかしこれらはただの断片的な情報に過ぎない。植民以来根深く対立残るこの地に深く深く立ち入った問題作だ。
犯人探しとしては単純なので、ミステリ的な意外性はまるでないが、常に緊張感のある不穏で悲惨な調子。アンダスンの「ワインズバーグ・オハイオ」でも感じたが、不毛の地で暮らすことを余儀なくされたアメリカ人の悲劇というのは先住民にも、植民者の子孫ですら骨の髄まで染み付いて土地から離れられないのか。
こういう痛ましい映画は観ていて辛い。
ジェレミー・レナーのナイスコントロールっぷりには笑った。エリザベス・オルセンとの共演も兼ねてますますホークアイに見える。
