火星

ウインド・リバーの火星のレビュー・感想・評価

ウインド・リバー(2017年製作の映画)
-
真冬のワイオミング州の果てにあるネイティヴアメリカン保留地という物凄く限定的な場所で進行する物語。
ただ、そんな場所で何が起きているかなんて世界の殆どの人が知らないという点で、この映画の存在意義は大きいと思いますね。差別というものを無くす1番最初の段階は「差別の存在を知ってもらうこと」だと思うので。
それはそうと、映画としての完成度がかなり高いです。さすが『ボーダーライン』の脚本家さんですよ。深い悲しみと怒りを抱えた男と、都会で仕事するまだまだ世間知らずのお姉さんという構図はまさにそれ。
両者とも違う境遇だけれども、両者とも安定した精神を持っていて観ていて安心すら覚える。それでいて物語はいつ爆発してもおかしくないような危うさを持っていて、緊張感を損なっていません。
教養としてこの映画は観ておくべき一本だと思いますよ。
火星

火星