AtushiMachida

ウインド・リバーのAtushiMachidaのレビュー・感想・評価

ウインド・リバー(2017年製作の映画)
3.7
最初に観た時は「?」な部分も多かったけど 町山さんの解説を聞いてだいぶ分かってきた。

ウィンド リバーとはアメリカのワイオミング州にある先住民居留地のこと。零下20~30℃にまで下がる極寒の地で少女の遺体が発見される。彼女は外の冷たい外気を直接吸い込んでしまったため肺の細胞が凍結してしまったことが原因。しかし 解剖の結果、少女は死亡する前にレイプをされていたことが分かる。

まず解説を聞いて驚いたのが ウィンド リバーという土地が鹿児島県ほどの土地にあるにもかかわらず警官は6人しかいないということ。そして、なぜ いきなりFBIが出てくるのか?と思ったが、それは先住民居留区というのは市警察でも州警察の管轄ではないこと。だからいきなり連邦警察(FBI)が登場すること。そして さらに驚いたのが連邦警察にはレイプ犯は裁くことが出来ないということ。つまり、この先住民居留区は無法地帯に等しい。実際 この地域では女性のレイプや失踪が多いということが報道されているらしい。そんな無法地帯で誰がどのような形で裁きを行うのか?というのがこの映画のみどころ。

この映画の先住民は非常に貧しい生活を強いられている。彼らはまともな法的保護もない。土地を奪い、居留区に追いやれ150年以上も経つのに。アメリカの知らない一面を垣間見た気がした。
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