chutaku0731

ウインド・リバーのchutaku0731のレビュー・感想・評価

ウインド・リバー(2017年製作の映画)
3.8
なんか表紙インターステラーっぽいやん、見たろ!
おっ、ホークアイとワンダでてるやん!
と不純な同期満点で見始めたこの映画。
実は閉ざされた社会の闇を描く社会派チックなミステリードラマだった。
ネイティブアメリカン保留地ウインドリバーと言う全く馴染みのない土地が舞台ですが、
視聴者の大半と同じ完全な部外者のFBI捜査官ジェーンが捜査の聞き込みを進めるのを通じてここがどんな場所か次第に解っていくので心配しなくても大丈夫な作り。
それに根底にあるのは閉鎖された社会の淀みなので外国の全く知らない土地の話でも普通に理解できる話。

ジェレミーレナーの演技と言葉がよく、
エリザベスオルセンのバディーものとしても面白くて段々引き込まれていくのだけど…
やがて訪れるあの胸糞事件の回想…
そして自分が知ってる社会なら普通には起きないようなことが平然と行われるような場所なんだなと痛感する瞬間。
本当に救いようがなく、気持ちが悪くなる。
私刑は肯定してはいけないけど、
犯罪者たちを次々と狙撃していくシーンは正直カタルシスを感じた。
そして主犯格の男に罪を告白させ、
犠牲になった女性と同じ状況にするところもよかった。
男は百メールも走れず、彼女は10キロも走った。
同じ町に生まれ生活しながらも淀まず、強く生きていた。
そんな強い彼女が町に負けた男たちの犠牲となるんやな…
なんかもううちひしがれて幕を閉じそうになるんだけど、
コリーがジェーンにかける言葉が少し元気出させてくれる。
娘を失ったネイティブアメリカンのお父さんに寄り添うコリーもよし。

ジェレミーレナーがとてもよい映画です。
ネイティブアメリカンのお父さんもカッコええで。

2019.12.10鑑賞
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