たまに映画な休日

ウインド・リバーのたまに映画な休日のレビュー・感想・評価

ウインド・リバー(2017年製作の映画)
4.0
劇画中に 意味不明なセリフの やり取りがあり観覧者を惑わせる。おそらく貴方も戸惑うこの映画の、最後にそれらの疑問が解ける。

アメリカの矛盾を鋭くついた映画で本土でも評価は高かった。

〜ストーリー〜
極寒で知られるワイオミング州のインディアン居留地で若い女性の変死体がみつかる。レイプ痕があり裸足だった。
街から女性FBI捜査官 A がやってくる。
(温暖な気候の)フロリダ出身の A は極寒の土地での捜査上、地元の人間と話が噛み合わない。それどころか
地元警察も、そして被害者家族でさえも
どこか諦めることに慣れている空気に戸惑う。

野生動物管理官ハンター B が捜査に協力する。

次第に事件の概要が見えてきたとき、犯人が「ここの土地には何にもない。雪と静寂だけだ」と自分の正当性を訴える。
犯人は自分が殺した女性と同じ死に方をする。

今現在 このインディアン居留地は滋賀県と同じ面積を たった6人の警察で見廻る。若者は10代から問題を起し、アルコールヘロイン麻薬中毒者が後を絶たないアメリカの現実は覚えておきたい。

白人はアメリカという土地を奪った
インディアンを虐殺しまくり
インディアンはカウボーイを殺す

いわゆる正義が悪を倒す痛快映画ではない。
矛盾だらけの白人理論が、自分で背負えない文化を作り出した実話だ。

B と A の最後のやり取りがアメリカを象徴している。オススメです。
たまに映画な休日

たまに映画な休日