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デッドプール2のdaiyuukiのレビュー・感想・評価

デッドプール2(2018年製作の映画)
4.8
最愛の恋人ヴァネッサ(モリーナ・バッカリン)を取り戻し、東へ西へ悪い奴らを懲らしめて回りながらお気楽な日々を過ごすデッドプール(ライアン・レイノルズ)。そんな彼の前に未来から来たマッチョな機械人間ケーブル(ジョシュ・ブローリン)が現れ、謎の力を秘めた少年の命を狙う。デッドプールの身に起きたショックな出来事もあり、やけくそになり見習いXメンになり、ヴァネッサの希望もあり少年を守ることにしたデッドプールは、ケーブルに立ち向かうため、仲間を集めることに。運を自在に操るドミノ(ザジー・ビーツ)など特殊能力を持つ者たちとスペシャルチーム『エックス・フォース』を結成するが、ケーブルが少年の命を狙うには遠い未来を左右する恐ろしい出来事が関わっていた。
デッドプールは、ヴァネッサの遺志を叶えるために謎の少年の命を守り、真のスーパーヒーローになれるのか?
前作は、ウェイド・ウィルソンがエイジャックスから奪われたものを取り戻すための復讐戦であり個人的な戦いだった。
だが今回は、ある理由からケーブルに命を狙われた謎の少年の命を守ることで、ヴァネッサの遺志を叶えて謎の少年を見捨てず守り抜こうと決意するウェイドことデッドプールのスーパーヒーローとしての戦いが描かれていく中で、デッドプールがどんなスーパーヒーローでありたいのかが描かれる。それは、決してコロッサスが押し付ける「スーパーヒーローのルール」に沿って行動する優等生的なスーパーヒーローではなく、必要なら手を汚すことに躊躇しない自分なりの正義で動くスーパーヒーロー。
監督が、「ジョン・ウィック」「アトミック・ブロンド」のデビット・リーチだけに、前作での高速道路で2丁拳銃と二刀流で敵を倒すアクションよりパワーアップしたアクションが、冒頭でのマフィアが立てこもるアジトにデッドプールが乗り込みあっという間に二刀流や2丁拳銃で敵を倒すバトルや暴走するトラックの中でデッドプールとケーブルが壮絶な死闘を繰り広げるバトルは、ハイレベルなソードバトルや格闘バトルと暴走するトラックや車が横転しまくるカーチェイスが組合わさり、ド派手でド迫力のアクションシーンに仕上がっている。
謎の少年が預けられたミュータントの孤児院がミュータントの子供を虐待したり、虐待されているミュータントの少年が心に貯めた憎しみがある事件の引き金になったり、敵であるはずのケーブルとデッドプールにある意外な共通点に、マイノリティを迫害するのは良くない、マイノリティやアウトサイダーにも居場所や理解者が必要というライアン・レイノルズら制作陣の思いが込められている。
ウェイドと傭兵時代からの仲間ウィーゼルやしがないタクシー運転手ドーピンダーや盲目の老婆アルとの前作から変わらない疑似家族的な強い絆に加え、前作で共闘したコロッサスやメガソニック・ティーンエイジ・ウォーヘッドとの仲間関係に、クライマックスで共闘する思いがけないキャラクターとの仲間関係に、デッドプールが言うところの「これはファミリー映画」という真意が込められている。
と難しいテーマ性はさておいても、「ローガン」「アナ雪」「氷の微笑」などの映画ネタや音楽ネタやライアン・レイノルズの黒歴史「グリーン・ランタン」「ウルヴァリンXメンZERO」についての自虐ネタなど細かくちりばめられていて笑えるし、ユニークなスーパーヒーロー映画として楽しめる続編に仕上がっている。
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