映画好きの柴犬

太陽の蓋の映画好きの柴犬のレビュー・感想・評価

太陽の蓋(2016年製作の映画)
3.7
「Fukushima50」とセットで見て

 東日本大震災の際、メルトダウンの危機に陥った福島第一原発への官邸の対応をジャーナリストの視点から描く、ドキュメンタリータッチの社会派ドラマ。

 「Fukushima50」とはあらゆる意味で対照的。そして、両方を見て初めて全体像がわかるという意味で相補的でもある。現場を描いた「Fukushima50」はある意味ヒーロー映画でもあるので、官邸サイドが悪役として描かれていた。本作ではその官邸サイドの内幕、そして本当の悪が誰なのかが描かれる。低予算かつ単調な会話劇主体なので、映画としての面白みでは「Fukushima50」に及ばないが、気概は本作に軍配をあげたい。

 しかし、対応について色々と揶揄された民主党政権だが、ズブズブの自民党政権だったら「撤退はあり得ない」なんて毅然とした対応はできなかったんじゃないかなって思ってしまう。まあ、本作の菅直人(三田村邦彦)は少々かっこよすぎるが😅