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淵に立つのnkmのレビュー・感想・評価

淵に立つ(2016年製作の映画)
4.0
TOHOシネマズ柏にて。

なんとも薄気味悪く、お金を払って観に来た映画なのに帰りたくなるほど誰も救われない…。

凄まじいオーラのある映画です。
楽しいー!また観たーい!とはならないけれど観ておく邦画であることは間違いないはず。
ミゾオチ6000回くらい殴られた気持ち。座って観ているのにめまいがした。

序盤のメトロノームから寒気がしていて、家族なのに家族じゃない。冷め切った家庭に突如現れる旦那の古い友人、浅野忠信。
この人こういう役の天才でしょ。

河原のシーンが本当に怖い。
突然むき出しになる感情。そしてそれをスーツの襟元を正すようにすぐスッと仕舞う気持ち悪さ。四六時中スーツなのは、この感情を必死に閉じ込めているからな気がする。

赤い服が象徴的に使われていて、最後のシーンはあんなにかっこいいと普段思う浅野忠信の顔に吐き気を覚えた。

誰も救われない、負のオーラに包まれた映画。

終わり方も寒気。
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