イチロヲ

恐怖女子高校 女暴力教室のイチロヲのレビュー・感想・評価

恐怖女子高校 女暴力教室(1972年製作の映画)
4.0
荒んだ女子校に転校してきた完全無欠の総番(池玲子)が、ライバルのズベ公(杉本美樹)と衝突しながら、私利私欲を貪る理事長(金子信雄)に肉薄していく。「女番長(スケバン)」シリーズと同時進行で製作された、東映「恐怖女子高校」シリーズの第1弾。

反権力闘争を主題とした学園ドラマをピンキー・バイオレンスの路線に乗せている作品。風物詩「池玲子 対 杉本美樹」のキャット・ファイトは本作でも健在。理事長の娘役を演じる衣麻遼子が、憎たらしいヒール(悪役)を完璧に表現しているところも醍醐味。

端役では、スキンヘッドにリボンを結んでいる丘ナオミのコメディエンヌぶりが素晴らしい。本人のインタビューによると、リボンをつけたままスタジオを歩いていたところ、車から顔を出した美空ひばりに「あなた可愛い!」と声をかけられたという。

非暴力を貫こうとする若い男性教諭(成瀬正孝)が、最終手段としての体罰をおこなってしまう場面が印象的。女子生徒(三浦夏子)の飛び降り自殺をスローモーションで描いていく演出もソクブンらしい。エロと暴力と笑いが混在する、正しいエンタメ作品。
イチロヲ

イチロヲ