ダルマパワー

ピンク・フラミンゴのダルマパワーのネタバレレビュー・内容・結末

ピンク・フラミンゴ(1972年製作の映画)
1.4

このレビューはネタバレを含みます

吐き気がするほど腹が立った映画は過去にあったが、本作では本当に気持ちが悪くなり、ゲロを吐きそうになった。映画を見て胃酸の味がしたのは初めてだ。

唯一の救いは、これが世界一下品な映画と言われていること。この先、これ以上の下品な映画を見る事がないと思うと、ほんの少し安心ができる。

ドラッグクイーンのインパクトには度肝を抜かれた。過激な容姿は美を越えて人の目を釘付けにする。

ただ、本作での一番の美は、パーティ中にお披露目されたケツの穴だったと思う。あんなにケツの穴が開くなんて衝撃だったが、とてもきれいなピンクの肛門で見いってしまった。

動物園でフラミンゴのピンク色に見とれる来演者のような気持ちだった。

最後に、鶏の件については賛否別れると思うが、あれをもって監督に嫌悪感をもつのは、お門違いなのかもしれないと思った。

セックスで殺された鶏の無念を始めは想像したが、そもそも鶏にはそこまでの知性はないのではないか。

自分が殺されるのが、例え食用の為に絞め殺されようと、あるいは、映画のためにセックスによって圧死させられようと、鶏自身には関係がないかもしれない。

とすれば、この映画を見て、鶏の気持ちを代弁するかのように、あるいはモラルをたてに、監督に嫌悪感を持つこと自体、鶏にとってどうでもいいことで、

人間が自分の勝手な正義のために行うものでしかない。

映画のために鶏を惨殺した監督と、食用として直接的、間接的にほぼ連日鶏を殺している自分と、本質的には実は何も変わらない。
ダルマパワー

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