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ガール・オン・ザ・トレインのyokoのレビュー・感想・評価

4.0
いかにもな代理店がつけた安い邦題かと思ったら原題ままwガールて年ちゃうやろという意見は確かにだが、ガールはエミリーのことではなくこれから大人になる少女たちに向けての啓蒙映画と私は解釈。モテる男、扱いのうまい男の中身は外見と比例してないということ。

無表情なヘイリーベネット、アル中顔のエミリーブラント、愛され守られ顔のレベッカファーガソンの役回り。

ヘイリーベネットはとにかく空虚で満たされない、けど頑張らない顔、絶望するのがわかっているから夢は見ない演技がうまい。似てる顔のジェニファーローレンスとかだと頑張っちゃうのよ目に意志が残る感じ。

エミリーブラントはとにかくすごい。アル中なのか糖質なのかわからな過ぎてスリラー的な快楽はないのだがw彼女のダイク的(レズ)な友達のヴィジュアルも素晴らしい。マリグナントの雑居房にいそうな感じ。

ヘイリー、エミリーの体当たり演技に隠れているがレベッカファーガソンが実は一番表情が変化していて、最初は守られる女、視聴者好感度最底辺キャラの表情を見せるが、真相を知ってから人間の表情になるのが面白い。彼女が腹を括ったまま、ミスティックリバーのショーンペンの妻のような、妻としての覚悟を変えないままエミリーはめられるの胸糞展開もあるかなと思ったが、意外と普通に、騙された自分(騙されても女としてアガリたい)へのケジメと、嫌悪していたエミリーへの仲間になることの証明をするため(同じ釜の飯を食べる)この時の表情の変化は素晴らしい。

女刑事フガフガしっぱなしだったが、逆にフガフガはエミリーを犯罪者にしたくないから、刑事として、のやや一歩手前の人間として関わっているからのフガみと解釈。ラストこいつらなんか示し合わせてるっぽいけどほっといたろ感。ラストナイトインソーホーの先生やバーの店主、刑事の妙な優しさを思い出した。

家から連行されるエミリーとレベッカを呆然と見送るヘイリーの旦那のなんともいえない表情が面白い。女の変化に男は傍観するしかないのか。

ラスト電車に乗って私は前に進むんだみたいなナレーションが入るのだがトゥーマッチで、囚われていた過去と違う景色を見ている表情だけで良い。
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