星降る夜にあの場所で

パリ横断の星降る夜にあの場所でのレビュー・感想・評価

パリ横断(1956年製作の映画)
4.3
いよいよ今夜から、始まりましたね~
東京と神奈川(16日~)の会場にて
「ゴーモン映画~映画誕生と共に歩んできた歴史」が☆
実に豪華なラインナップです。
アンスティチュフランセなので、
大阪、福岡、京都なんかでも上映されればいいのですが。

本作は上映作品の1つです。
時代背景はナチ占領下末期から解放されるまでのパリ。
地下で豚をさばいて闇取引しているタクシーの運ちゃんだった男(ブールヴィル)が、
ひょんなことから(ヤキモチが理由で)1人の助手(ギャバン)を雇う。
自宅兼屠殺場から灯火管制の中、
豚肉を詰め込んだスーツケースを二人共が両手で持って
取引先まで運んでいく所謂ロードムービー。

大半がパリのカフェと夜道を歩きながら二人でお喋りするシーン。
ところがこれが面白い♪
またこの作品、原作者意向でモノクロ撮影されているのですが、
パリの夜の街並みがたまげるほどに美しい。

10年ほど前の鑑賞なので台詞はうろ覚えですが、
印象に残っているシーンが3つあります。
①フランス喜劇の頂点に君臨する前の大大大好きル・イド・フュネスが出演シーン。
3シーンほどしか出番はありませんが、主演二人に全く引けをとらない堂々たる存在感。
もう既にこの頃から、ゼンマイ仕掛けが背中についているかのような動きをしています。
顔芸もハンパない(笑)
絨毯をひっぺ変えし隠し扉を開き、四人が地下へと下りて行きます。
1人はランプ、1人はロープ、1人はアコーディオン、もう一人はエプロンを巻いた女性。
はい。アコーディオン???ですよね?
豚さんやられるものかと、逃げ回りながらブヒブヒ、キーキーと騒ぐわけですよ。
この鳴き声が外に漏れたらマズいので、アコーディオンを演奏して豚さんの鳴き声をかき消そうとするわけです。
しかし、どう聞いても豚さんの鳴き声の方が明らかに大きい(笑)
②助演アニマル賞を授与したい野良犬たちの活躍。
肉の臭いを嗅ぎつけたワンちゃんたちは、蹴っ飛ばされようが、閉じ込められようが、
全くひるまずひたすらに二人を追跡します。
この演出がまた最高に笑えます。
最後は…
③取引先に到着した二人が、ゲシュタポに連行されるシーン。
ゲシュタポが夜中にわめいている二人の後からパーンとライトを当てたと同時に、
カメラが屋内からの画に切り替わり、ライトに照らされ手を上げた二人のシルエットが写し出されるんです。
このシーンがやけに際立っていました。

日時に都合がつく方は是非ごらんになってみて下さい。
私も、未見の作品が何本かあるので足を運ぶ予定でいます☆彡

ここからプログラムがダウンロード出来ます
http://www.institutfrancais.jp/tokyo/events-manager/cinema1806140722/