パリ横断の作品情報・感想・評価

「パリ横断」に投稿された感想・評価

nagashing

nagashingの感想・評価

3.5
灯火管制下にあるパリを忠実に再現したかったのか、映画としてはありえないレベルに暗い。これが、なにかにぶつかったり隠れたりというアクションにもきちんと活用され、終盤ではドイツ兵のかざすライトの明るさを劇的にきわだたせる。型破りなジャン・ギャバンと小心者のブールヴィルのコンビ、どんどん増えていくパルム・ドックな犬たちとの攻防が楽しい。コミカルとシリアスの絶妙な綱引きに完全な決着をつけるラストのトラックアウトもよい。反ナチ映画ではまったくなく、抑圧されることで顕在化したフランス人の意地汚さの告発、といった感じ。しかし、その主体となるギャバンがわりと安全圏から石を投げている(ことがわかる)せいであまり気持ちよく観れない。
ネット

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3.5
青山シアターにて滑り込み鑑賞。面白かった。

いかにもフランスといった上品さがある。ノワールかと思うほどのバキバキの陰影がカッコいい。
ワンコが増えてきて状況がドタバタしだすのも、上品な面白さで大変けっこう。
終盤、ナチスのくだりの最後がエモすぎ。
ジャン・ギャバンが下品。しかし街灯の下を走り抜けることによって点描のように美しく映り込むいぬたちや、ずっと持っていなければならなかった鞄でラストは顔を隠しているブールヴィルなど、上品なところも散見する……。謎な作品。
kagata

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4.5
ジャン・ギャバンの口の上手さがギトリみたいに思えてくる。ナチスに捕まったあとは彦摩呂にも見えた。三匹の犬は明らかに二人を追い抜いているのにカットが変わるとまた二人の後ろにワープして追いかけてくる。豚も猫も山羊もプードルもいる。「馬鹿げてる 君も俺も戦争もすべてが」っていうこと。ラスト、そうだろうとは分かっていても嬉しい。
大越

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3.9
初オータン=ララ。
巧い。オータン=ララ巧い。素晴らしい!

豚を潰すシーン、オータン=ララとオルミとで、こんなに違いが出るとは…
あそこはオルミのネオレアリズモの方がはるかに好みです。

あとはもうこれをシェアしてくれた加賀田くんに感謝あるのみです。
みら

みらの感想・評価

4.5
ギャバンの叫びがたまらない。『乙女の星』みたいにドタバタなコメディ(犬がだんだん増えてくる)が始まってここもまたたまらない。
ギャバンの破天荒なキャラクターが最高!
肉屋に賃金の値上げを要求するシーン、バーでひたすら店主を罵倒するシーンなんてたまらん暴れぶり。
ひょこひょこついてくる犬(どんどん増えていく)、娼婦がババアだったときの兵隊のリアクションなど細部も豊か。

ラストの絶望感(直前の影絵の芝居がスリリングかつコミカルで素晴らしいセンス)からの笑顔がほころぶオチまで完璧。
tk33220

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4.0
ジャン・ギャバンの機転を効かせつつぶっ飛びまくったキャラが素晴らしい。この野蛮な叫び声。警官を気絶させ逃げる場面でも後ろから全速力で犬たちが追いかけて来たりとユーモラス。ラストに絶望的な後退撮影が入るものの、オチが楽天的で感動してしまう。
菩薩

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4.0
ナチス占領下、灯火管制で真っ暗なパリ、暗い夜道をトコトコ進むおっさんが二人(とついて来ちゃうワンちゃんがおよそ3匹…かわゆい)、手には重そうな鞄、中身は人には言えない「やべぇブツ」、と言うほどでも無いが、流石に状況が状況故バレたらただでは済まない物。文字通りのパリ横断、そしてコメディ→シリアスへの縦断であり、光と闇の往来でもある。狂っとんのかわざとなのか、素性が見えぬ何やらアクの強いジャン・ギャバン、終盤明かされる目的はまぁ呆気ない物だけど、彼自身が恐らく闇の中の光そのものであり、難を逃れたあの美術館の生き写しでもあるのでは?鞄一つで語られる歴史とドラマ、にしてもあの量を手で運ぶのは流石に無理がないか…?
Hero

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3.8
クロード・オータン=ララ、ぱっとみ新種のオラウータンみたいな名前してるこの監督ですが、マルセル・カルネ ジャン・ルノワール ジャック・フェデー ジュリアン・デュヴィヴィエらに代表される30年代フランス詩的リアリズムの監督たちのもとで映画を学びそこにキートンのドタバタ喜劇の要素を兼ね備えた詩的リアリズム第二世代の筆頭株として有名、トリュフォーが“フランス映画のある種の傾向”と一括りにし「カイエ・デュ・シネマ」で滅多斬りにしたまぁプラスに捉えればヌーヴェルヴァーグの生みの親(本当のところはラングロワやバザン)と言ってもいいはず、いやダメなはず。

そんな今作はナチス占領下のパリを舞台に密売品バレずに運べば1万5千フランゲット〜!な謂わゆる“逃走中”の元ネタであり、黒尽くめのハンターならぬヒトラー予備軍の目を掻い潜り耐えず続くドキドキハラハラわらわらな緊張と緩和の連続、サスペンス×コメディ×ロードムービーなジャンルごった煮映画。兎に角、劇場は終始笑いが絶えずそれを全面に担うのは名優ジャンギャバンの緩和パートに他ならない、強面な顔面を引っさげて当時の状況を逆手に取ったシニカルブラックな笑いをクリティカルに掻っ攫っていく姿は言うまでもなくかっこいい、かと思えば夜のパリをノワール然としたキメッキメのアングルで切り取った緊張パートの美しさたるや、その高低差に耳キー、、、、、そして彼らが最終的に辿り着くのは光と影のコントラストで創り出された“洞窟のイデア”シーン←これハイライト。睡眠不足故意識朦朧としてたのは差し置いて総じて満足度高め。

《ゴーモン映画〜映画誕生と共に歩んできた歴史〜》
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