このレビューはネタバレを含みます
1956年製作
オータン・クロード=ララのコメディ・ドラマ。
ドイツ占領下のパリで闇市へ流す豚肉を運ぶため、フランス警察やドイツ軍の目を掻い潜りパリの端から端までを移動するマルタンとグランジルの物語。
天然ボケレベルの柔和さを持つマルタンと強烈な皮肉屋のグランジルの丁々発止のやり取りがコミカルで楽しい。
更に時代背景により抑圧された住人たちのリアルな心情描写や生きる為のふるまいも、作品への没入度を高めてくれる。
薄暗い映像の中であっても、陰影の使い方が上品でありカッコいい。ほぼ全編セットでの撮影と相まって、独特の世界観を創り出してている。
それを踏まえてのラスト。
リヨン駅のロケーションの晴れやかさには胸いっぱい。
あとは、犬の可愛さったらないね。