JIZE

The Beguiled/ビガイルド 欲望のめざめのJIZEのレビュー・感想・評価

3.4
監督ソフィア・コッポラ作品特有の密封された女集団の中で織り込まれる静寂な空気感が永遠に続くのかと思いきや雄の匂いが大量の欲望を放出させ皮肉と恐怖が同居する。特に後半は学園に蔓延る決壊寸前な閉塞感が陰湿な籠城戦をメインにお手の物といった印象。冒頭の透き通った森林で少女がキノコを採集する場面がああいう風に終盤でシニカルに回収されるのも監督の手腕を感じずにはいられない。

女性独特の観察眼の刃が痛烈な密室サスペンスを突き付け部外者をみずからのテリトリーで取り囲む過程も警戒心を絶やさず丁寧な描き込みだったように感じました。また固く閉ざされた門の内側でそれまでは安全に守られてきた者たちが無礼な来訪者の傲慢さが目に余り故郷のホームを守るプロットも面白かった。無知無力な弱者が独裁者に立ち向かうようなカタルシスがある。俳優エル・ファニングやニコール・キッドマンの清らかな感じも合ってました。