来年公開予定の『ソニータ』は、アフガニスタンに残る政略結婚(児童結婚)の伝統に、ラップを通じて必死であらがう少女のドキュメンタリー。
「無条件の親の愛と思ってた
見返りが必要な愛なら
すべて拒否したのに
…でも命を授かった恩に
どうやって報いればいいの?」
政略結婚と言ったら、"時代遅れ”の他国のことと思うかもしれない。でも、これはそういう「伝統」に限った話ではないと、今日見て思った。
もっと大きな「親と子」の関係性の問題。親が子供を「自分のモノ化」する現象なんて、世界のどこでだって起きてる。家族の中でだって、「見返りを求めない愛情」をちゃんと注げている人なんて、どれくらいいるんだろうって私は思っちゃう。
親子問題、家族問題、ジェンダー差別、そうしたものに直面したことがある人ならきっと、ソニータが歌うラップの歌詞は、心に沁みてくるはず。
そしてもうひとつ、この映画の特徴は、監督が主人公の人生に「介入」していくこと。よく戦場カメラマンのジレンマとしても語られる、「目の前の人を助けるか、伝えることに専念をするか」という命題を、監督の目線から、観る人も問いかけられるはず。
「私を買って」
とカメラ目線で訴えてくるソニータの言葉を、どう受け止めるのか…。