ニャンおっ太

最後の追跡のニャンおっ太のレビュー・感想・評価

最後の追跡(2016年製作の映画)
4.0
アカデミー4部門ノミネート。後にNetflix独占になったけど、当時は劇場公開(日本未公開)、DVDも発売されてたんでオリジナル制作ではないです。テイラー・シェリダン脚本による「ボーダーライン」「ウィンド・リバー」に並ぶ辺境3部作の1作目。アメリカ現代文学最高峰作家コーマック・マッカーシーの国境3部作(ボーダー・トリロジー)や、映画「ノーカントリー」(原作「血と暴力の国」)のテイスト(ジェフ・ブリッジス演じる引退前の保安官とかまんまオマージュ)を取り入れた作品。クリス・パインのいつもの端正な役(「スター・トレック」「ワンダーウーマン」)と真逆の髭面汚れ哀愁と、ニック・ケイヴ&ウォーレン・エリス(マッカーシー映画「ザ・ロード」や前出「ウィンド・リバー」も担当)のBad Seedsコンビのオリジナルスコアが心に染みます。元々はピーター・バーグ監督案件だったけど最終的にデヴィッド・マッケンジー監督に変更。この映画の公開前年に続けて他界した監督両親に捧げられているのも感慨深いです。シェリダン脚本新作はクリス・パインやハリソン・フォードやベン・アフレックが演じたジャック・ライアンシリーズのスピンオフらしいんで楽しみだけど、テキサス生まれの彼の持ち味の土埃舞う感覚は残してて欲しいなあ。