ねこ

最後の追跡のねこのレビュー・感想・評価

最後の追跡(2016年製作の映画)
4.2
テキサスで兄弟と言えばザ・ファンクスだろ…なんてお気楽な感じでチョイスしたのに、二度も観てしまうほど響く作品だった

一度目は、クズで厄介な兄貴だなと思ってた
でも、後半、突然グッとこみ上げた
ダメな兄貴の人生が急に浮かんできた
自分に出来るのは強盗だけ、という言葉に隠されたあれこれが溢れ出て、悲しくて悔しくて可哀想で、でもカッコよくて、クズだと思っててゴメン…と心の中で謝った

二度目は、とにかく最初から兄弟の会話が沁みて沁みてたまらない
誰に向けてかわからないが、バカヤロー!と言いたい気分になる

社会問題としても考えさせられる点が多く、ただただやるせなさが募るばかり
テキサス独自の法で生きる人々
正直者から搾取し尽くす知恵者たち
現代版西部劇に勧善懲悪は存在しないのだ

人は呆気なく死ぬ
遺された者はただ、諸行無常の日々を生き続ける

音楽とジェフ・ブリッジスのシブさよ
とてもいい映画だった
ねこ

ねこ