あべきょ

ブレードランナー 2049のあべきょのレビュー・感想・評価

ブレードランナー 2049(2017年製作の映画)
3.2
どうしても前作との比較になってしまうが、さすがにドゥニヴィルヌーヴが手掛けたVFXは35年という時代の進歩を感じさせる。『DUNE』でも驚かされたように、都市や巨大構造物からインテリアや乗り物に至るまで、世界観を物質的に構成するモノ全てが無機質でありながら美しい。
ただ、前作にあったサイバーパンク感はなく、映る人間の数も少ないため全体的に暗さは増している。それに連動して、前作では80s中心だったBGMもSF仕様に一新されており、個人的には前作ほど楽しめなかった。
Kを主人公としたストーリーもやはり前作より暗い。ライアン・レイノルズがここまでハマり役でなかったらもっと退屈だっただろう。
アナ・デ・パルマス演じる"ホログラム彼女"とKとの関わりからは、存在における身体性(?)の問題や、「人格」とは?といった哲学的な問いも浮かんでくる。SF作品は視覚や音響だけじゃなく、こういう哲学的に考えさせられる作品が多いが、その意味では前作に匹敵する面白さはあると思う。
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