MAX3D鑑賞。ドゥニ監督の脚本とスタッフに最適な映像の導き手として、これほどにないほど見事な映像作品に大満足。まぁ映画『ブレードランナー 』の続編としては物足りない感はあるが、『アンドロイドは電気羊の夢を見るのか？』という最高の映画だった。
ドゥニ監督はやっぱり個性のないことが個性の職人監督だわ。
明確なビジョンをスタッフと共有して脚本に相応しい映像を導くタイプだわ。時にフィンチャー、時にノーラン。そんな感じ。
ドゥニさんはカメラ早い動きで見せずにカメラの中にキャラを入れるタイプだからIMAX鑑賞にぴったりだったなぁ。
そもそも論だが、1作目の『ブレードランナー』の良さは、ロボットが人間よりも人間らしいという現代の人々への皮肉の物語というよりは、
闇鍋のような異国の要素をあの街全てに突っ込んだ独特なディストピアだったのではないか？と思う。
それはむしろ原作小説にない要素であって、
今作はそういった要素は全て排除されていて、SONYが作ったロボコップのリメイクのように小綺麗になってしまっている。
しかしディンキンスの撮る映像全てに神秘性が内在していて、
別物として最高。
また脚本が普通に面白く、ブレードランナーの原作の良さを体現したような良質な内容で、アンドロイドは、形のない人工AIに恋をして、また自分自身が、特別の存在なのではないかと考える。
最高にSF。
続編としてこれじゃないという意見は、納得できる。
でもSF映画としては、普通に良作だし、ディンキンスさんとドゥニさんはとてもとても才能のある映像作家だと思うし、今年のベスト候補に普通に入る良作だった。
