2017年公開のSF映画。カルト的人気を誇る「ブレードランナー」から実に35年も経って製作された正当なる続編。前作に出演していたハリソン・フォードも出演している。
続編ですが、前作「ブレードランナー」を鑑賞した自分には（意図的であるかどうかは不明ですが）対照的な作品であると感じました。「ブレードランナー」が動的、混沌とした印象であるのに対し、こちらは静的、より整理・洗練されたイメージ。前作が（一度見では）わからない意味不明な表現（有名な折紙のシーン等）で鑑賞者を困惑させるのに対し、こちらはある程度秩序だっている（物事に理由付けがある）ので、全体を通して割と納得できるストーリーです。…だからこそ本作では際立ちます、「人間とは何か？」という哲学的命題が。前作「ブレードランナー」ではあまり前面に押し出されることはありませんでしたが、本作ではその命題について考えさせられるシーンが非常に多い。その意味で、前作の原作である「アンドロイドは電気羊の夢を見るか？」の続編と見ることもできるでしょう。なので、前作はもちろんの事、原作を読み通していた方が本作により没頭できるのではないでしょうか。それを除いても、美しい作品だと思います。
