モナ郎

ブレードランナー 2049のモナ郎のレビュー・感想・評価

ブレードランナー 2049(2017年製作の映画)
4.5
良かった。
この映画はブレードランナーの所謂、箱庭的心地よさをペーストしただけの作品ではなかった。申し訳程度に出されるあの退廃的都市の映像も「まあ、一応やっておきますよ」という感じで、なんならなくてもいいくらいだった。そして、それ以外の世界観は完全に「メッセージ」から地続きのドゥニ・ヴィルヌーヴのものだった。昔の歌手のホログラフがぶつ切りで現れたり消えたりしながら殴りあうシーン(上手く言えない笑)の不気味なワクワク感は最高だった。

あと、序盤に主人公Kが「お前は奇跡を見たことがないからだ」と言われているシーンはなんだか自分に言われているみたいでため息が出てしまった。あまり奇跡的ではない時代に対する皮肉でもあるのかな(時代のことはよくわかりませんが)。それともこの映画はKというキャラクターを通して、過去の奇跡の映画に対するドゥニ・ヴィルヌーヴなりの返答を描いているのかもしれない。「奇跡は起こせないけど、現代的にこの物語に落とし前をつけることはできる」みたいな。
でも、テクノロジーでジョイみたいなAIロボットを作られたらたまらないだろうなあ。ウォレス社はとんでもないもの作ってしまったと思う笑。
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