ちゃーはん

ブレードランナー 2049のちゃーはんのレビュー・感想・評価

ブレードランナー 2049(2017年製作の映画)
4.1
人間とは。
作品を観る視点は、人によって違うと思う。SF映画の金字塔として名高いブレードランナーの続編とあれば、特に様々な見方をもって、評価することも当然のように思う。

自分はもっぱら、映像的なことでも、前作と比較してということでも、SFとしてということでもない。純粋に「人間ってなんだろう」と思った。

作中では、レプリカントという人造人間は、人間とどう違うのか。目の光なのか、造られたという点なのか、感情や心、記憶の有無なのか、命令を全うすることなのか。

神に生命を与えられたものには、魂があり、人に造られたものには、それがない、という描き方をしていた。人造人間には魂がないということで、物語は進められていた。

Kは、初めから新型のレプリカントとして明言されているが、それらしさはあまり見受けられなかった。自分が息子か否かという時には、動揺もした、葛藤もした。最後には、デッカードを救い、娘と逢う手立てまでした。

Kが人間になる話かと言われると、そうでもない。こんなことを言いたくもないが、生きている人間の中にも、全員が全員、己の魂を磨きながら生きている人であるわけでもない。

人が命を生み出すのは、男女しかあり得ないが、心を生み出すのは、どう生きていくのかで可能なのではないか、と思った。ラスト近く、Kがジョーになったように、命令を下す上司が死んでからの行動を踏まえると、そう思わずにはいられなかった。
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