ユウサク

ワンダーストラックのユウサクのレビュー・感想・評価

ワンダーストラック(2017年製作の映画)
3.4
1927年パートの方でローレン・リドロフが聴者として演技してて、これは凄いことなのでは?と思った。サイレントの形式なら垣根が無くなってろう者でも聴者の役ができるということ。クィア役者がシスヘテロの役を演じられる(雇用機会が増える)ようになってきているのと同時に、ろう者が聴者の役を演じられるような作品づくりって可能なのかという発見。
ただ会話できるレベルの音量で話せるけどこっちの言うことは聞こえないっていうベンの状態は物語のための都合って感じがちょっとするので、ろう当事者やコーダにどう受け取られたのかが気になる。

そのほかにも一番の肝の部分がダイジェストみたいに説明されてしまうところの味気なさやラストのサプライズの物足りなさも気になった。ミリセント・シモンズの演技は本当に素晴らしい。撮影はそれなりに良かったけどやっぱり20年代に映画を見るシーンで映写に一切のガタつきが無かったりシネスコ前提の映像になってたりすると違和感強い。どうしてもグリーンバックかなんかに白黒に加工した映像をはめ込んでるとこをイメージしちゃうんだよな。
ユウサク

ユウサク