歴史的作品を自らの手で根底から覆した、革命的前作から5年。
マレフィセントの持つ母性愛は、遂に国家間・種別間の政治と戦争の大スペクタクルへと拡大する。
人間世界と妖精世界の思惑と願望、武力と知略が行き交う大戦争は、最早サーガの様相を呈し、「眠れる森の美女」の話だったなんてことを遥か彼方に忘れてしまいそう。
そのマスターピースが何故事実と違う形で世に広く知れ渡ったかさえ、作中で新たな意味を持たせることに成功したディズニーは、自らが作ったそのかつての偉大な作品を、更に巨大なマーケットをターゲットにした一大エンターテイメント作品に昇華させてしまった。
漆黒のヴィランが強大な力で金字塔を破壊・再構築して、最新のエンジンを載せてぶん回しているような映画。