Yuya

群衆の中の一つの顔のYuyaのレビュー・感想・評価

群衆の中の一つの顔(1957年製作の映画)
4.8
発言力を影響力と勘違いしてしまった男の哀しき末路…
ちょっと見たり話を聞いたりされる事と 支持されてる事とは 全くイコールじゃない

昔と今じゃ 全くもって見方が変わるというか…
半世紀前の映画だってコトが本当に疑わしくなるほど 怖いくらい現代のアメリカ そして世相を予見してしまってる作品

その皮肉めいた過激発言でテレビの人気者になった男が 金と権力を誇示して 政局にさえ乗り出してゆく…なんてさ
なんてこった そっくりな男が大国の顔になってるじゃないかっ!

小気味好く自分達の代弁をしてくれるような男に倒錯した挙句 手の平を返して批判する群衆 そしてそんな一人だったはずの男の栄華と没落

これは もはや他人事では決してないんだろう
時代も進んだ今じゃ YouTubeにTwitterにインスタ はたまたこのような映画アプリ…発信の方法は個人でさえ無限に持っているのだ
目新しいワードや 最もらしい論理 レアなショットや 一方的な文言だけでも 誰とでも繋がれて 気軽に何気なく たとえ見てさえいなくても 指一本で安易にフォローもいいね👍も共有できるのだ
大切なのは その安易さの認識だろう
それを 発言力や影響力と思い上がってしまえば 自己顕示欲の果てには 誰もが独善的に 排他的に ファシズムにもヒトラーにも なり得てしまう なんともインスタントな時代に生きてしまっているのだから…

まぁ 情けない話 カミさんにフォロー…ついてきてもらうのにさえ 手こずってる自分には 家庭内でさえ 発言力も影響力も皆無なわけでね…
Yuya

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