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パーソナル・ショッパーのmilagrosのレビュー・感想・評価

パーソナル・ショッパー(2016年製作の映画)
4.2
とにかく扉を開けまくる映画。ファーストシーンから、モウリーンはビビりながらもただ扉の先を、答えを望む。
そんな彼女と、彼女を見守る観客を、映画は答えをちらつかせながらも嘲笑う。
窓が限りなく増えてしまった現代。マックに、スマホに、いくらでも他者と出会えるよう。その代わり、その他者は限りなく透明に、幽霊になっていく。抽象画でも映画でも全てスマホで済ますのだから恐ろしい。だから、この映画の全ての人々は幽霊なのだ。現代のメディアは全てを幽霊にかえてしまう。
答えらしい答えはないけど、ラストは解放であると思う。少なくとも明るい陽光がある。そして、彼女は初めて安らいでいる。確かに、幽霊はいてくれる。
黒沢清の『回路』とか、すごく繋がってる。
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